第一回 子宮内膜症
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 最近どんどん月経痛がひどくなってきて 彼氏とＳＥＸするときや排便のときに痛みが走るのです。生理以外のときでもなんだか痛いのです。 原因を調べてみました。子宮内膜症の診断です。卵巣が5センチにはれていますよ。手術をしなくてしなくてはないのでしょうか？卵巣の腫れが7センチ以上なら手術をおすすめするのですがＡさんはまだまだ独身で赤ちゃんも考えていないから まずは薬物治療ですね。 どのような治療法があるのですか。 たくさんのバリエーションがありますので 以下に書き出してみました。これを見ながらきいてくださいね。 |
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 よかった。薬で治療ができるのですね。安心しました。 |
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 赤ちゃんが欲しいと思って努力しているのですが・・・診察してみましょう。内膜症ですね。Ｃさんの場合あまり症状はないようですが。症状がなくても不妊の原因になります。内膜症細胞からでる物質は妊娠を妨げるのです。子宮内膜症の患者さんは妊娠しにくいのです。子宮や卵巣と腸などがひっついていたりして せっかく排卵しても卵子が自由にうごいて卵管にたどり着く道筋が途絶えてしまっている人もいるのです。でも 薬物療法は排卵を抑える薬ばかりですので、（Ａさんの診察室をみてね！）使えません。 内膜症をもっている不妊症の患者さんの妊娠率は、薬物療法を先に行っても上がらないというデーターがあります。Ｃさんは内膜症の程度も軽くまだまだ年齢的に余裕があると思うのです。Ｃさんが妊娠しない原因が内膜症だけではないかかもしれません。他の不妊検査をして、一般の受胎指導を先に受けていただき、妊娠を目指していただきます。一定期間指導を受けていただき妊娠がが成立しなければ手術をお勧めします。 手術って おなかを切るんですか？いいえ、まず選ばれるのは 腹腔鏡手術です。腹腔鏡ってどんな手術ですか？おなかに大きな切り傷を作らず 5ミリから1センチの小さな穴から内視鏡や操作をするため細長い器具を子宮や卵巣のある場所まで進めおなかの中で手術をしてしまうのです。腹腔鏡の手術で卵巣の悪い部分を含め子宮の周りの内膜症の病変をすべて取り去ることが一番大切です。チョコレート嚢腫の内部をアルコールで固定する手術もありますが、不完全で再発率が高くなります。手術の最後に骨盤内を大量の生理食塩水で洗うのですが、これだけでも妊娠率は上がるのです。妊娠を妨害する物質を洗い流すわけです。 妊娠を目指してがんばりましょうね。 |
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 一ヶ月前に結婚しました。年齢のことも考えて早く妊娠したいのです。いままで妊娠の経験はありません。以前から内膜症といわれていて何回か治療を繰り返しています。診察の結果 内膜症の診断ですね。Ｄさんは年齢的に妊娠を急がれたほうがよいでしょう。38歳以上の方の場合 受胎指導をお受けいただいて、いたずらに時を費やすよりも 検査をかねて腹腔鏡をお受けになって内膜症をできる限り取り除いてから受胎指導をお受けになったほうがよいかもしれませんね。昔 内膜症と診断されたとき受精した卵子の子宮への通り道の卵管が詰まっているかもしれないって言われて不安なのですが・・・腹腔鏡で卵管が詰まっているという結果であれば すぐに体外受精をお勧めすることになると思います。卵管がつまっていなくても内膜症でないひとにくらべてやはり妊娠しにくいと思われるので35歳以上のかたには、排卵誘発剤などを積極的にお勧めしています。 では、できるだけ早く腹腔鏡の検査を受けたいと思います。腹腔鏡をたくさんしておられる信頼のできる病院に紹介しましょう。一日も早い妊娠を願っています。 |
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 きょうは久しぶりに婦人科検診に来ました。お産のとき以来検診をうけておられないのですね。毎年検診はしてくださいね。卵巣が４センチにはれていますね。内膜症でしょう。チョコレート嚢腫といいます。別に月経痛も辛抱できるくらいだし もうお産も考えていないから ほおっておいてもいいですか？ 定期的に卵巣の様子や腫瘍マーカーといわれる血液検査を観察させてください。と いうのはね 0.5％程度とは言われていますが。癌に変わる可能性があるのです。 癌になったかどうかはどのようにわかるのですか？急激に大きくなったり、超音波での見え方が変わってきたり マーカーの値が高くなってきたら要注意なのです。そんな時には。精密検査の上、手術をおすすめしています。だから 症状がなくても定期的に診察を受けてくださいね。ほおって置いてはいけません。閉経してもなおチョコレート嚢腫が残っているようなら閉経後も見せていただかなくてはなりません。早期に見つけたら治療も軽くすむと思います。治療というのは手術ですよね。そうです、癌を疑う場合は腹腔鏡でなく開腹手術です。子宮や腫れていない側の卵巣もとってしまわなければならないこともあります。定期検査は受けてくださいね。 |
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